- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
秋の日本海。
陽射しがあり、暖かな日だったが、大波が押し寄せていた。
駐車場に車をとめて、ドアを開けると、すぐに潮の匂いがした。
この辺り、電車やバスを乗り継いでは、なかなか行けない。
広い駐車場がある。
自動車で来る人が多いところだ。
岩場を伝って、歩いていける。
波が打ちつける、すぐ側まで近づける。
波の音が大きくなる。
僕は歩いていったが、妻と娘は波からは遠く離れたままだった。
時折僕に向ける視線が、心配そうだった。
僕は少しムキになった感じで足を進めていた。
10月の連休の初日。
出張が多く、なかなか家族で過ごす時間がとれなかった頃。
ドライブで、ちょっと遠出をした。
車の中で、普段あまりできない話を、とりとめもなく続けながら。
そして、たどり着いた、日本海の海岸。
自分がずっと見たかった風景だ。
波打ち際で、振り返った僕を、妻と娘が見つめていた。
不意に、足が震えた。
それでも。
僕は何事もなかったように、二人の元に戻っていった。
コメント